ティーチングと違う、ビジネスで行うべきコーチングとは?

約6分

唐突ですが学生と社会人の違いは何でしょうか?

大きく分けると学生はお金を払う立場ですが、社会人はお金を貰う立場と言うのが違いだと思います。

お金を払う立場と言う事はお客様ですから、好きな事が言える立場ですし、嫌だったら止めても良い訳です。

逆にお金を貰う立場であれば、好きな事を言われてしまっても我慢しなければならないでしょうし、お客様を止めさせられないでしょうし、嫌でも生活の為には辞められないかもしれません..。

人を成長させるのが学習ですが、その学び方も大きく分けるとティーチングコーチングの2つが有るのです。

ティーチングとは?

ティーチングとはTeaching、学校で教わる姿が正にティーチングです。

学問の様な一定の型や答えが有る事を、先生と生徒の様な関係で一方的に短時間に詰め込んで教えるのがティーチングです。

一般的に先生と生徒のスキルは大幅に異なります。
効率を重視して先生一人に対して、複数の生徒で教わると言う様な体制が普通でしょう。

ティーチングは学生に対してだけでは無く、社会人に対しても行われています。
しかし社会人と言っても新社会人相手であったり、当たり前と言われる様な基本的な内容のみがその対象となります。

コーチングとは?

一方でコーチングとはCoaching、コーチと言えばスポーツのコーチがイメージし易いのでは無いでしょうか?

Coachとは英語の馬車が語源で、馬車は人を目的地に運ぶと言う意味合いから、人を目標に近づける指導や指導員がコーチと呼ばれる様になった様です。

ティーチングとコーチングの違いは?

ティーチングは一定の答えが有るのに対し、コーチングには決まりきった答えが無いと言うのが決定的な違いになるでしょう。

もっと簡単に言えば1+1は2であると言うのは誰が誰に教えても変わらないティーチングとなりますが、どうすれば人生が豊かになるのかと言うのは誰が誰に教えるかによって無限のやり方と答えが出てくるのだと思われます。

スポーツでは絶対の正解が無いですし、どの様な体格で正確の選手なのかによっても変わるでしょうから、正にティーチングでは無くてコーチングとなるのでしょう。
勿論、基礎的な理論に関してはティーチングするかもしれませんが、それでは基本的に差が生まれないので、個性に応じて伸ばすコーチングの方が大切になってくるのだと思います。
そもそもコーチが出来ない事を出来る様にならなければならない訳ですから、コーチからはアドバイスでは無くて質問が主体になっていき、最終的には高度なレベルで選手自身が考えて動かなければならない訳なのです。

ティーチングを受ける方はお客様と言う感じでも良いのかもしれませんが、コーチングを受ける人は主体的に取り組んでいかなければ皆無となっていくのでしょう。

ビジネスでのティーチングとコーチングは?

ビジネスもスポーツと似ていて、決まりきった答えと言うのは一切有りません。

それこそ差別化こそがビジネスの本質ですから、決まりきった答えが有る筈が無いのです。
もしそれをやったら必ず儲かると言うのがあれば、皆がそれを必ず行うでしょうから、結局はそれでは皆が儲からなくなる筈だからです。

しかしながら例えばビジネスマナーや、業界の常識や専門知識などは皆同じで然るべきなので、これらは新人の頃にティーチングにより学ぶ事になります。

それでは決まりきった答えの無いビジネスでのコーチングは、一体どの様に進めていけば良いのでしょうか?

GROWモデルでのコーチング

コーチングの手法も様々ありますが、わかり易くてオススメ出来るのがこちらのGROWモデルでのコーチングです。

GROWとは、

  • G : Goal   ・・・ 目標
  • R : Reality  ・・・ 現状
  • O : Options  ・・・ 選択肢
  • W : Will    ・・・ 覚悟

の略でとなります。

それではそれぞれ具体的にどの様に活用していくのかみていきたいと思います。

G : Goal   ・・・ 目標

PDCAなどでも同じですが、そもそも目指す目的や目標によって以降の予算や行動の内容と言うのは大きく変わってきます。

その為、一番最初にどれくらいの目標を目指すのかと言う目線合わせをしないとそもそも頓珍漢なコーチングとなってしまう訳です。

只野球が上手くなりたいのと、メジャーリーグに入るのでは恐ろしいほど差が有る訳なので、最初にきちんと目線を合わしてなければお互いにとんでもない事となってしまうのは容易に想像出来ますよね。

R : Reality  ・・・ 現状

次にこちらもそうですが、目標と現状のギャップを把握しなければ効率的な戦略を練る事が出来ません。

現状を把握すると言うのは、目を逸らしたい現実を直視しなければいけない事なので、かなり辛い作業と成るかもしれません。
だからこそコーチと言う存在が有り難くなると思います。

孫子の言葉に ” 敵を知り己を知れば百戦殆うからず ” と言うのが有ります。
これは正にその通りなのだと思いますが、敵を知るのも難しい訳ですが、実はそれよりも己を知るのが難しいので、皆危うい状況となってしまうのではないでしょうか。

O : Options  ・・・ 選択肢

目標とギャップを埋める為の方策と言うのは、何も一つしか無いと言う事は有り得ないでしょう。

だから既成概念に囚われず発散思考で無数に考え、出来るだけ多くの選択肢を揃える事から始めるべきだと考えます。

そしてその中から収束思考でベストを選んでいきます。
それは勿論一番効率的、一番実現可能性が高いものを選ぶべきです。
それこそ戦を略す為に考える訳ですから、正に戦略と言う事になるのだと思います。

W : Will    ・・・ 覚悟

残念ながら身の回りでは絵に描いた餅と言いますか、やるやる詐欺が溢れていますよね..。

正しい事だから、それこそやらなくてはいけないと言うのはわかっていても..やり切れないのですよね、不思議な程に。

だからこそ最初に意思をきちんと固めて、それを覚悟と変えると言うプロセスは、最後にきちんとやらなければいけないものなのだと思います。

ティーチングと違う、ビジネスで行うべきコーチングとは?のまとめ

如何でしたでしょうか?
先ずはティーチングとコーチングの違いは理解して貰えましたでしょうか?

私達は学校でのティーチングに慣れすぎてしまい、答えが決まっている画一的で横並び式の学び方に慣れ過ぎてしまっている様な気がします。

それと異なり哲学の様に、答えが無い事を考える癖、それを教わると言う事に関しては無頓着になってしまっているのかもしれません。

それこそ古い時代のコーチングは、背中を見て盗めと言うのが美学みたいな感じでしたが..それだけではやはり少し厳しいですよね。
同じ内容は昔よりも短時間でティーチングしてもらい、その上のスキルをコーチングして貰う感じで進めていかなければ今の世の中では置いてけぼりとなってしまうのではないでしょうか。

PDCAKPTも素晴らしいフレームワークだと思いますが、同じ様に成長の為にはこちらのGROWモデルも鉄板だと思いますので是非活用する様にしてみて下さい!