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勝負は始まる前に決まってる?ビジネス界のZMOTとサッカーのOFF THE BALLが教える勝負の鉄則

約6分

勝負の世界ではよく言われることがあります。

  「お前はすでに死んでいる!」

…違いました。m(_ _)m

  「勝負は始まる前に決まっている」

なんともシュールな表現ですが、ビジネスとスポーツの世界で共通する真実をズバリ言い当てている様な気がしています。

今回は、勝負に共通する幾つかの概念を通じて、勝負の勝ち方を見つめ直してみたいと思います。

ZMOT:ビジネスの勝敗を決める瞬間

まずはビジネス界で話題のZMOTから解説します。
ZMOTとは ” Zero Moment Of Truth ” 、つまり FMOT ” First Moment Of Truth ” の前の瞬間です。
実はZMOTと言う概念が出てくる前までは、FMOT、即ち消費者が商品やサービスに初めて触れる瞬間が大切だと言われていました。

…なるほど、確かにそうですよね。

しかしながらZMOTはこれに待ったを掛けた訳です。
…いやいや、その前に勝負は決まっているんじゃない?と。

ZMOTとはFMOTの前の瞬間です。
つまりZMOTとは消費者がインターネットで情報を検索したり、口コミを参考にしたりして、事前に商品やサービスを検討している瞬間であり、ZMOTを意識し消費者が購入を検討する際に必要な情報を適切に提供することで、購買意欲を高めることができるのでは無いかと考え始めたわけですね。

ZMOTで大成功した企業:アップル社

アップル社はZMOTを恐ろしいほどうまく活用している…と言われたら結構ピンとくるんではないでしょうか?

アップル社は常に製品発表会のプレスリリースの段階から盛り上げまくり、当日は緻密なプレゼンテーションを行い、消費者の期待をこれでもかと事前に高めまくっています。
また、公式ウェブサイトや専門家のレビュー、口コミも情報拡散の一環として重要な役割を果たしています。

これらにより、消費者は購入の決断を下す前に、Apple製品への信頼感や期待が高まりまくり…発売当日はお祭り騒ぎの長蛇の列が出来るというわけです。
(最近はそうでもなくなってしまっているのが寂しい限りですが…。)

マーケティング:そのミッションはセリングを不要にする事

ビジネスではセールスが花形と考えられたりしますが、あの経済学者ドラッカーは、マーケティングの究極の目標はセリングと言うセールスのメインの仕事をなくすことだと喝破しています!
…そうなんです、究極にはセールスの仕事は不要になってしまうのかもしれません!!

マーケティングとセールスは、企業が製品やサービスを消費者に売ると言う最終ミッションは変わりませんが、勿論それぞれの役割分担は異なります。

マーケティングは、消費者に対してブランドや製品の価値を伝え、興味や欲求を喚起することを目的としています。
一方、セールスは、マーケティング活動で興味を持った消費者に対して、具体的な商品やサービスの提案を行い、購入に至らせる役割を果たします。

言われている通り、マーケティングの究極の目標は、セールスを不要にすることです。
これは、マーケティング活動が十分に効果的であれば、消費者は自ら製品やサービスの価値を理解し、購入意欲を持つようになる結果として、現場でセールスが行う個別の提案活動の必要性が限りなく低くなるからです。
つまり現場で売ろうとする前に、買いたくてたまらないお客様がワラワラと勝手に集まってきて、買うのを決めている訳なので現場では勝手に買って帰っていく…以前のiPhoneのムーブメントみたいな感じになる訳ですね。

しかしながら一般的には、マーケティングだけではすべての消費者の購買意欲を満たすことは難しいため、セールスの役割も勿論重要な訳です。
特に、複雑な製品やサービスにおいては、セールスが顧客との信頼関係を築くことがビジネスでは不可欠と考えられています。

OFF THE BALL:サッカーでの勝負を決めるプレイ

次に、サッカー界で重要な役割を果たすOFF THE BALLについて解説しましょう。
OFF THE BALL(オフ・ザ・ボール)とは、ボールを持っていない状態で行われるプレイのことです。

つまり、ボールを持っていない選手がどれだけうまくポジション取りや動きを行えるかが、サッカーの勝敗を分ける重要な要素と考えられています。
ボールを持っている選手は只でさえ注目されてしまうので、その選択肢はある程度限られてしまいます。
しかしながらボールを持っていない選手の動きは無限の選択肢が有り得るので、その選択肢次第でゲームの展開は大きく変わっていくのです。

OFF THE BALLで活躍するサッカー選手:リオネル・メッシ

サッカー界でOFF THE BALLの名手としては、やはりリオネル・メッシ選手が挙げられます。
まあメッシほどの選手になれば何だって出来る訳ですが、特に彼のボールを持っていない間の動きは非常に巧みだと言われています。

空きがなかった相手チームのディフェンスラインも、メッシのポジショニングから緩急使い分けた動きでかく乱し、相手のディフェンスラインを乱し、その中で時には自分自身で、また時には自分を囮としてチームメイトに得点チャンスを作り出すシーンは、メッシが出ている試合では誰もが見たプレーでは無いでしょうか?

  勝つ為には相手よりも点を多くとる
  点を取る為には一本でも多く良いシュートを打つ
  良いシュートを打つ為、打たせる為にはOFF THE BALLが重要

メッシほどの選手になれば、彼はボールを持つ前に勝負をすでに決めているのです!

…やはり勝負は始まる前に決まっている!?

どうでしょうか?
まだ、勝負は始まる前に決まると言うのは過言だと感じますでしょうか?

ビジネスではマーケティングでZMOTを刺激し、消費者が購入の決断を下す前に魅力的な情報を発信することが効果的だと言う事は理解できたかと思います。
一方、サッカーではボールを貰う前のOFF THE BALLのプレイが勝敗を分ける大きな要素となり、ボールを持っていない状態での動きのイマジネーションを磨くことが重要と言われています。

どちらも勝負が始まる前の準備が勝敗を分けるポイントとなる訳です。
ですから、「勝負は始まる前にほぼ終わっている」という言葉には、意外と真実が隠されているのです。

あなたもビジネスやスポーツで成功を収めるために、ZMOTやOFF THE BALLを意識して、勝負の準備を整えていきましょう。

また組織で考えても、ゴールを決めるのはボールを持っている選手だけではなく、ボールを持っていない選手の動きも大切だと言う事もわかります
いずれの分野でも、勝利をつかむためには「勝負の前の準備」に更なる力を尽くしていきましょう!