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人は見たいモノしか見えず、聞きたいものしか聞こえていないと言う恐ろしい真実

約4分

どんなに雑然とした中でも自分の名前が囁かれた時に、ピクッとなる事はありませんか?

人間は聞いた音を処理して必要な情報を再構築していると考えられていて、これをカクテルパーティー効果と呼んでいるそうです..何かオシャレですね。

一方では目の前で話されたとしても、耳には入っているものの頭に入って来ない様な話もしばしば有りますよね?
若しかしたら話が難しいと言うのも有るかもしれませんが..それよりもズバリ興味が無いからなのでしょう。(笑)

どの様に雑然としていても自分が興味の有る事、例えばそれこそ自分事であれば、一旦耳を通過してしまったとしても頭の中でアラートが鳴らされて戻ってくる様な感じと考えられます。
耳は無意識でも情報収集をし続けていると言う、意外な高機能さを持っているのですね。

カクテルパーティー効果は聴覚に関する例となりますが、視覚に関しても実は同じ様な例が有ります。

それはカラーバス効果と呼ばれているものです。

例えば、
 「部屋の中を見渡して、30秒以内になるべく多くの事を覚えて下さい。」
と言われたらどうでしょうか?

きっとあまりにも多くの情報が入り過ぎて、覚えようとすればするほど何も思い出せないとなってしまうのでは無いでしょうか。

それよりも例えば、
 「部屋の中を見渡して、30秒以内に金属製のものをなるべく多く覚えて下さい。」
と言われたら、その成果は間違い無く変わりますよね。

これを木製のものに変えたり、白色のものとか変えて注目してみたら、きっと見えてくる世界は全く異なってくるでしょう。

私達の身の回りには常に無数の視覚情報や聴覚情報が飛び交っているので、私達の頭レベルではそれら全てを処理する事は出来無いと言う事です。
だから私達は無意識の内に、全てを見たり聞いたりしているつもりでも、自分が興味があるもの以外は全てシャットダウンしてしまい、結果的には見たいものしか見えていないですし聞きたいものしか聞こえていないですし..その後忘れてしまう事により事実を抹殺してしまうのでしょう。


更にデジタル技術が進み、最近ではパーソナライゼーションと言う機能が当たり前になってきました。
だからインターネットで目にするニュースと言うのはその人が見たいニュースばかりとなり、決して世の中で起きている事全てでは無い訳です。

例えば今の政治が正しいだとか正しくないだとかは、現在の誰も絶対的に判断する事は出来ません。
しかしながら政治が正しいと思っている人には、パーソナライゼーション機能で政治が正しいと言う論調のニュースばかりが目に入る様になり、益々その考えが偏っていくと言う事が起きているのは間違い有りません。逆もまた然りでしょう。
見たいものを自分では選んでいるつもりかもしれませんが、実はどんどんと誘導されているかもしれないので注意しなければなりません。

一方でデジタル技術が苦手な人達にはデジタル・ディバイド(Digital Divide)と言う問題が指摘されています。
デジタル・ディバイドとはITなどのデジタル技術が苦手な事により、十分な情報が得られない事に因り格差が発生していると言う問題です。

しかしながらデジタル技術などと大袈裟にしなくとも現代では新聞やTVや雑誌などで十分情報が溢れていますので、最早十分と言えば十分な情報を入手する事は出来るはずです。
注意しなければならないのが新聞やTVや雑誌なども好きなものばかり見ていると、情報が操作されているとは言わないものの、情報が偏ってしまうと言う事です。

いずれにせよ日常生活では価値観の合うグループに属する事で、偏りが助長されてしまうと言う機会は多分に有るかと思います。

結論的には少ない情報と偏った過分な情報のどちらが有益となるのかは、結構難しい判断と言えるのでは無いでしょうか。
そしてデジタルな世界であってもアナログな世界であっても、偏り無く情報を入手出来なければ、目の前の情報にどんどんと飲み込まれていくと言う事になりそうです。
その点ではデジタルな人達の方が偏りだせば、その傾向は強くなっていくでしょう。

だからデジタル・ディバイド=情報ディバイドと言うよりも、真の問題は情報アンバランスなのでは無いでしょうか?

人間は只でさえフラットな状態でも見たいものしか見えず聞きたいものしか聞こえない訳ですから、入手される情報がどんどんと偏っていくとしたら..恐ろしくは無いでしょうか!

その様に考えだすと、今まで私達が真実だと思い込んでいたものは、果たして本当に真実なのでしょうか?
これが良かれ悪かれ、日本の常識は世界の非常識となっている一因なのでしょうね。

情報量が十分に多ければ偏りも許容誤差範囲となり、情報が情報を淘汰して健全な環境となっていく様な気がします。
いつもの情報ばかりで満足せず、バランスの取れた情報収集を心掛けていきましょう。