Winner takes all ..
1位が総取りとまでならなくとも、2位以下が得られるものとは雲泥の差が有るのが世の常です。
富める者はますます富み、貧しき者は持っている物でさえ取り去られるのである
―新約聖書マタイ伝13章12節―
聖書には様々な核心を突く内容が様々書いてありますが、こちらもかなりドキッとする内容です。
好循環に入るのも、悪循環に陥るのも最初はきっとほんの僅かな環境の差の筈です。
格差社会と言う言葉も有りますが、なぜその様に差は加速してしまうのか、こちらで少し紐解いてみたいと思います。
カナダのプロホッケーチームの例
カナダのジャーナリストであるマルコム・グラッドウェルの著書、天才! 成功する人々の法則と言う本にこの様なエピソードが記載されていました。
本書に因るとカナダのホッケーのプロチームの選手は、何故か誕生月が1月とか早い月に集中している様なのです。
カナダでは年度の始まりが1月であり、学校も例外では有りません。
だから同じ学年の子供はやはり1月に近い方が発育が良く、身体も大きく、スポーツで有利な面が多々有ると言う事が想像出来ますよね。
カナダではホッケーが人気スポーツなので、かなり小さい頃からホッケーを始めます。
強いチームはなるべく発育の良い子を取ろうと試みる筈で、発育の良い子はその様な強くなれる環境で鍛えられる為、どんどんと鍛えられて強くなっていきます。
勿論、その中のほとんどは脱落する事にはなるのでしょう。
しかしながらその様に強くなれる環境を与えてもらえるのは、1月に近く発育が早い子ばかりなのです。
実際にこのサイクルが機能してしまっているのは、プロ選手の誕生月が1月とか早い月に偏っていると言うところから或る程度証明されてしまっていると考えられるのではないでしょうか。
アマゾンが考える好循環の輪
アマゾンを創業したジェフ・ベゾスは、レストランのナプキンにこの様な好循環の輪を書いてプレゼンを行い、仲間からの信頼を勝ち得たと言う伝説が残っています。
- 利用量が増加する→パートナーが更に参加する→パートナーが参加すれば選択肢が増える→顧客が満足すれば更に利用量は増加する
- 利用量が増加すれば→低コスト化の実現→値下げの実現→顧客が満足する..
- これらのサイクルが回っていけば、Amazonは成長していく
循環を一つの輪だけでは無くて、二つの輪を使いプレゼンするなんて、ジェフ・ベゾスのそのセンスに素晴らしさを感じてしまいますよね!
これは正に強くなればどんどんと強くなってしまうと言う正論の典型なのだと思います。
資本の成長率は、労働対価の成長率を上回る
仏国の経済学者であるトマ・ピケティの著書である21世紀の資本論では、資本収益率(r)>経済成長率(g)と言う方定式が注目されました。
これは富める者はますます富みを端的に表している様に感じてしまいます。
この方程式通りであれば投資の成長率の方が大きいのは当たり前としても、それは失敗した場合も含めての場合になる訳です。
そんなに資本での成長は大きいのか、間違いは無いと言う事なのでしょうかね?
今の世の中の矛盾と言うか、不完全さを感じてしまいます..。
親が与える環境と子供の学力
子供の学力は、育った家庭のSES(Socio-economic Status=社会経済的背景)に強く影響を受けていると言われています。
これは文部科学省が行った学力テスト、子供達の生活習慣や学校環境に関するアンケート調査や保護者に対するアンケート調査から導き出された一つの仮説です。
勿論、本人の資質や努力も多分に影響するのは当たり前なのですが、SESとの相関は..身の回りの経験からもなんとなく納得してしまうのではないでしょうか?
いずれにせよ良い環境を与えてもらえれば、より良く成長し易いと言う事に否定は出来ないと思います。
良い家庭教師を与えてもらえれば、やはり勉強が出来る様になるのは当たり前ですから。
しかしながら良い環境と言うのは、決してお金だけでは無いと言うのが救いと言うか、とても重要なポイントなのだと思います。
弱い者がどんどんと勝手に弱くなってしまう例
これは枚挙にいとまがない様な気がします。
勝手に弱くなってもらえるのだとしたら、強い方は何もしなくても良い訳ですから正に楽勝となってしまいますよね。
例えばやる気がなくなってしまえばやらなくなり、やらなくなればやれなくなるからやる気が無くなる..みたいな悪循環は至る所で発生している様な気がします。
勝手に脱落者が増えていけば、何もしなくてもいつの間にか勝ち組となっていく訳です。
太ってしまい運動が億劫になり、運動しないからまた太る..更にきっと食べてしまい太ってしまう様な話は、本当に至る所で聞こえてくる話でもありますよね!
好循環を呼び寄せるには
We don’t laugh because we’re happy
米国の哲学者 ウィリアム・ジェームズ
– we’re happy because we laugh!
私達は幸せだから笑うのでは無い
私達は笑うから幸せなのだ!
先行者メリットみたいな話も有りますが、最強の二番手商法みたいなのも有ったりする訳です。
卵が先か鶏が先かみたいな話も有りますが、どちらが先にせよ、ポイントは進む事さえ出来れば意外と上手くいくのかもしれません。
好循環するのが自分であれば幸せですし、好循環するのがライバルであれば不幸せとなってしまうのでしょう。
自らが好循環の輪に入っていくのが先と言うよりも、好循環に入っていく為にはきっと笑って頑張っていくべきなのです!