お客様がどの様に購買を決定するかがわかれば、上手い攻略法が見つかるかもしれません。
消費者の購買決定プロセスを読み解いたと巷で有名なのはあのアイドマ(AIDMA)の法則。
..あれっ?
でもアイドマの法則って100年も昔のフレームワークなの??
アイダ(AIDA)の法則とは?
実はアイドマの法則の前、時は更に遡り1898年。
米国の広告業界でセント・エルモ・ルイス氏が提唱したアイダ(AIDA)の法則と言うのが、どうやら消費者の購買決定プロセスをフレームワーク化した始まりの始まりの様なのです。
- A ・・・ Attention = 認知
- I ・・・ Interest = 興味
- D ・・・ Desire = 欲求
- A ・・・ Action = 購買
消費者の購買活動は認知から始まり、A(認知)→I( 興味)→D (欲求)→A(購買)の順に移っていくと提唱していたのです。
なるほど、確かに知らないモノは買えませんから、先ずは認知されなければスタートラインに立てない訳ですね。
認知の中から興味が有るモノと無いモノにふるいが掛けられ、それが強い欲求となっていき、やがて時が来たら購買すると言うプロセス分解は本当になるほどです。
しかし100年以上前なので時代背景は全く異なり、未だ馬車が活躍し自動車が量産される以前で、勿論インターネットもスマートフォンも無かった時代の見解です。
いずれにせよ消費者の購買活動をシンプルに、且つ寧ろ贅肉を削ぎ落とし基本中の基本を抑えていますので、この古典であるアイダの法則から学べる事は大いに有ると考えます。
このイラストの様にA(認知)→I( 興味)→D (欲求)→A(購買)の順に人数は減ってきてしまいます。
だからA(購買)を増やす為には入り口のA(認知)を増やさなければならない、それぞれのプロセス間の転換率を高めなければいけないと言う施策が考えられる様になったのは素晴らしい進歩と考えられます。
アイドマ(AIDMA)の法則とは?
AIDMAとは1920年代にアメリカ合衆国の販売・広告の実務書の著作者であったサミュエル・ローランド・ホールが著作中で示した広告宣伝に対する消費者の心理のプロセスを示した略語である。
Wikipediaより
そうなんです、最早100年前とはなりますが、アイダの法則が提唱されてから20年後、同じ米国のサミュエル・ローランド・ホール氏が、AIDAにM(Memory=記憶)をプラスしてアイドマ(AIDMA)の法則を提唱し、これが全世界中に広まっていきました。
- A ・・・ Attention = 認知
- I ・・・ Interest = 興味
- D ・・・ Desire = 欲求
- M ・・・ Memory = 記憶
- A ・・・ Action = 購買
アイドマの法則ではD (欲求)→A(購買)の間にM (記憶)を入れると言うのが極めて大きな意味を持つと考えられています。
決して動物的に欲求したものが行動に移される訳では無く、M (記憶)と言うワンプロセスが正に人間らしい購買活動を表していると考えます。
更にMは動機(Motive)とする派生系も有る様です。
またMをC(Conviction=確信)に変えて、アイドカ(AIDCA)の法則と言う派生系も有る様です。
アムツル(AMTUL)の法則
アイドマの法則までは短期的と言うか単数での消費者の購買決定プロセスを考えていましたが、このアムツル(AMTUL)の法則では中長期的な視野が考慮されています。
- A ・・・ Aware = 認知
- M ・・・ Memory = 記憶
- T ・・・ Trial = 試用
- U ・・・ Usage = 使用 = 購買
- L ・・・ Loyalty = ロイヤルティ = 固定客 = リピート購買
U(使用)で終わらせず、その先のL(ロイヤルティ)まで思いを馳せ、将来的な購買活動まで含め、顧客価値の最大化を狙うと言う大きな進化を感じます。
アイサス(AISAS)の法則とは?
アイドマの法則から80年後ほどに提唱され始めたこのアイサス(AISAS)の法則は、あの日本の電通が2004年に商標出願したものとなります。
- A ・・・ Attention = 認知
- I ・・・ Interest = 興味
- S ・・・ Search = 検索
- A ・・・ Action = 購買
- S ・・・ Share = シェア
正直、アムツルの法則まで、個人的にはあまりピンと来ていませんでした。
まあ、一般にはそうかもしれないと言うくらいで他人事に感じていたのです。
しかしながらこのAISASの法則で、確かに検索してからでなければ購買しないと言う、正に今の自分自身の購買決定プロセスに近いと感じさせられました!
しかも多かれ少なかれ、SNSでS(シェア)してしまっているなと!!
更にアイサスの法則の派生形には、同じく日本のアンヴィコミュニケーションズが提唱したアイセアス(AISCEAS)の法則と言うのが有ります。
- A ・・・ Attention = 認知
- I ・・・ Interest = 興味
- S ・・・ Search = 検索
- C ・・・ Comparison = 比較
- E ・・・ Examination = 検討
- A ・・・ Action = 購買
- S ・・・ Share = シェア
ここまで来ると今の消費者の購買決定プロセスに対して完璧と感じさせられます!
アイドマやアムツルの時代までは、需要に対してどちらかと言うと供給不足の世の中だったと思います。
しかしながら現代は供給過多の世の中なので、このC(比較)と言うのが無くてはならないのだと思っています!
ググって競合品と比べた上で購買を決定し、その決定に対しての感想をインターネットで垂れ流すと言うのが、現代の消費者の主流購買プロセスなのでは無いでしょうか?
消費者の購買決定プロセスのまとめ
実はアイセアスの法則の後にも、様々な法則が提唱され続けています。
シップス(SIPS)の法則:Sympathize(共感)→Identify(確認)→Participate(参加)→Share&Spread(共有と拡散)
デキャックス(DECAX)の法則:Discovery(発見)→Engage(関係)→Check(確認)→Action(購買)→eXperience(体験と共有)
これら以外にも未だ未だ色々提唱されている様です。
勿論、色々な考え方が有り、どれが間違いでどれが唯一の正解と言う事も無いのだと思っています。
しかしながらアイドマの法則の時代から100年も進み、時代背景は大きく変わり、供給過多になり、情報が氾濫する今だからこそ、調べて比べて決めて、前後に情報をシェアし合う世の中になって来ているのだと思います。
もう騙しが通用しない世の中になって来ています。
だから当たり前の研鑽をきちんと積み重ね、必要としている人に最適なモノが届けられる様な商売をしていかなければなりませんね。