仕事で大切な三大要素と言えばQCD。
恐らく社会人一年目で先ず教わるフレームワークでは無いでしょうか。
そのQCDも時代と共に進化を続けています。
こちらではQCDの基本から、それぞれの業界別の進化系まで追ってみたいと思います。
QCDとは?
QCDとは、
- Q ・・・ Quality = 品質
- C ・・・ Cost = 費用
- D ・・・ Delivery = 納期
QCDではQualityファースト!
このQCDと言う標語が素晴らしいのはQが最初に来ている事です。
これは常に如何なる時でもQuality First = 品質第一を表しています。
どんなに安い商品でも、品質が悪ければ只の迷惑となってしまいますからね。
QCDはトレードオフの関係
このQCDの面白いと言うか難しいところが、あちらを立てればこちらが立たずの、所謂トレードオフの関係となっているところです。
- 品質を良くしようと思えば費用が増える
- 費用を抑えようとしたら納期が伸びる
- 納期を早めようとしたら品質が疎かになる
それぞれの逆も簡単に想像出来ますよね。
勿論、それぞれ上手いやり繰りも出来る筈ですが、基本的にQCDは基本的にトレードオフの関係になっていると理解して下さい。
業界別のQCD
それではここから業界別にQCDの進化系を見ていきましょう。
製造業界ではQCDSMやQCDR
先ずは本家である製造業界から。
QCDを頭にしてこの様な進化系が存在しています。
- QCDSM = QCD + Safety(安全) + Morale(モラル) 現場では本来Safetyファーストでも良いくらいですよね
そしてなるほど、確かにMoraleはSafetyやQualityに深く繋がっていくと考えられますので重要ですよね
- QCDR = QCD + Risk(不確実性) このRiskはSafetyの対義語だと考えます(良い方向の不確実性も有り得ますが)
RiskはQCD全ての要素に対して大きな影響を与えかねないので、予見してコントロールすべき間違い無く需要な要素と考えられます
建築業界ではQCDSE
そして作ると言う意味では製造業と似ている建築業界でも、この様なQCDを頭にした標語が浸透してきている様ですね。
- QCDSE = QCD + Safety(安全) + Environment(環境) Safetyが有るのは製造業以上に大納得ですね!
そしてEnvironmentは自然・周辺・職場などの環境まで含まれている様ですね、素晴らしい!
小売業界ではQCDSやQCDF
一方、小売業界では差別化の為にQCDSやQCDFと言われている様ですが、その本質はきっと同じでは無いかと考えています。
- QCDS = QCD + Service(サービス)
- QCDF = QCD + Flexibity(柔軟性)
飲食業界ではQSC
ちょっと面白いのが飲食業界です。
QCDからCもDも抜けているのです。
- QSC = Q + Service(サービス) + Cleanliness(清潔さ) 現場を徹底させる為に、敢えてコストだとかを意識させずにとても良い標語だと感じます
その他のQCDの進化系
その他にも色々有るみたいですが、こちらでは上記に無い要素だけを紹介したいと思います。
- 時間系 ・・・ Speed(速さ)、Time(時間)
- 製造系 ・・・ Design(設計)、Develop(開発)、Productivity(生産性)
- 販売系 ・・・ Sales(営業)
QCDのまとめ
今の日本では品質が良いのは当たり前なので、Qは死守しなければならない足切りラインなのだと思っています。
だから最低限のQを担保しつつ、後の要素のバランスを最適化する、それが喜ばれる仕事となるポイントなのでは無いでしょうか。
またどれも重要な要素の訳ですが、どれを最重要とするかなどを表す順番が更に大切だと考えます。
品質を上げろ、でもコストは上げるな!
みたいな二項対立のトレードオフな無理難題を投げかけても、只々現場は疲弊してしまうだけです。
だから優先順位を明示して、
品質を上げろ、その為に上がる最低限のコストは認めるから
みたいなロジカルで現実的なマネージメントとしていかなければなりませんね。