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FOBと似て非なるFASは何が違うのか?

約3分

国際的な貿易条件をまとめたインコタームズの中には2つのクラスが有り、今回紹介するFASは、海上および内陸水路輸送のための4つのルールと言う海上輸送にのみ使われる中では売主が一番楽な貿易条件となります。

それではこのFASで契約した場合、どの様な運びとなるのか一緒に見ていきましょう。

FAS(Free Alongside Ship)とは?

FASはFree Alongside Shipの略ですが、日本語に直すと船側渡し条件となります。

この船側渡し条件とは売主から買主への責任が本線の船側で切り替わると言う事なのですが、この船側と言うのを更に解説すると、本船の荷役装置が届く範囲と言う事です。
荷役装置と言うのは平たく言うとクレーンなどですね。

FOBとFASの違い

FOBは船の上ですが、このFASは船の横に貨物が置かれた時点で責任が切り替わると言う貿易条件と言う事になります。

位置関係的には近いですが、船に載っている、載っていないと言うのは大きな違いとなりそうです。

FOBでは無くFASが使われるケース

FOBとFASの違いは船の上か船の横かなんて、貿易条件って微妙な細かさまで規定されているんだなあと思ってしまいませんでしたか?

意外とこれには訳と言うか、大きな想定の違いが有るのです。

例えばコンテナ貨物であれば、使われるのはFOBの方になるでしょう。

しかしながらコンテナに入らない様な大型貨物や、またその様なモノを運ぶ在来船ではFASとなるのです。

在来船(Conventional Ship)とは?

在来船と言う名前からも想像が付く様に、近代の主流となっているコンテナ船とは異なる、従来から活躍を続けている様々な貨物を運ぶ貨物船です。

コンテナ船はコンテナ単位でシステマチックに積まれていく一方で、様々な貨物を運ぶ在来船は人海戦術で対処する為、その作業は比較的日数が多く必要となり、また天候に左右されてしまいます。

コンテナ船はコストや所要日数にメリットが有るので近代の主流となっていますが、在来船でしか運べない大型貨物や特殊貨物も有りますので、在来船は元気に今でも活躍を続けているのです!

FASのまとめ

FASをまとめると、コンテナ輸送が出来ない様な大型貨物を、在来船の側に着けた時点で責任が切り替わる貿易条件です。

具体的には従来から木材などの特定貨物にのみ適用されている様ですね。