世の中には様々なタイプの営業マンが居ますが、嫌いで駄目な営業マンであれば単純にお断りすれば良いだけです。
私が困ってしまうのは ” 愛想が良いけれども不味い店 ” の様な営業マン。
本当に人柄が良いので助けてあげたくなり、どうにか何か買ってあげようとしても..碌な商品を持っていないのですよね。
担当として会社を代表している訳なので、その人を助けるだけの為に不要なものを買って会社のお金を浪費する訳にはいかないのです..。
話は少し変わりますが、困ってしまう営業のイメージを具体化する為にこんな喩え話を考えてみました。
ある料理店を見つけた。
見るからに普通以下の佇まい。
男は通り過ぎようと悩んだが、見渡す限り他には何も見当たらないので、空腹に耐えかねてその料理店に入ってしまった。
中に入ると店内はガランとしていて客は全くいない。
テーブルに着き、周りを見渡しても、不思議な事になぜかどこにもメニューらしきものが無い。
その代わりに、
“顧客第一”
“誠心誠意”
“おいしい料理を笑顔で提供します”
と言う様な、不思議な書き物はやたら沢山壁に貼ってあるのである。
また中には設備の一覧らしきものも貼り出してあった。
“調理2名、その他1名”
“コンロ5台、鍋7個、フライパン10枚” などなどなど...。
そうこう戸惑っていると、奥から若い店主らしき男が満面の笑みを讃えながら出てきました。
「ようこそ、いらっしゃいませ!
兎に角、一生懸命作ります。あなたの為に作ります!!」
男は言いました。
「メニューを見せて下さい。何がオススメですか?」
店主はニコニコしながら答えます。
「何でも作れるので、当店にはメニューが有りません。
当店では何でも美味しく創りますので、全てがオススメです。
だから何でも好きなものをオーダーして下さい。」
それではと思い、男は
「じゃあ、ラーメンは出来ますか?」
しかし、店主は、
「すいません。実はラーメンを作るのだけは苦手なのです。」
男は気を取り直して、
「じゃあ、チャーハンは?」
「すいません。生憎、お米を切らしていまして...。」
店主は申し訳無さそうに答えます。
何でも出来ると言ったから適当に聞いているのに…と思い、男は少しイライラしながら言いました。
「...もう何でも出来るもので良いですから、適当にオススメをお願いします。」
続いて男はハッとして、聞きました。
「あっ、因みにお幾らくらいになりますか?」
店主はニコニコしながら答えました。
「正直、作ってみないとわかりません。
兎に角、一生懸命作ります。あなたの為に作ります。」
そして、急にモジモジしながら続けました、
「今日はお客様しかいらっしゃっていませんし、ウチの料理人達を養わないといけませんし、ウチでは最近子供が生まれたばっかりでして...。」
そう続けながら、店主は不気味な程に、ますます一生懸命ニコニコするのでした...。
本当に人が良い営業マンであれば問題有りませんが、普通の営業マンのニコニコには要注意なのですよね。
それこそ営業な訳ですから、ニコニコするのは寧ろ当たり前と言うか、売りつける為の武器な訳です。
疑うのであればニコニコする事で何かを隠しているのかもしれません。
そして何でも出来ますみたいに言う営業マンは、寧ろいい加減なのかなと疑った方が良いかもしれません。
値段をなるべく伝えないのも営業の常套手段ですが、あまり先方の都合ばかりプレッシャーを掛け続けられるのも勘弁してもらいたいものですよね。
あなたはどの様な営業マンや営業スタイルが苦手でしょうか?
二択の中から選ぶとすると、あなたは ” 不味いけれども愛想が良い店 ” と ” 美味いけれども愛想が悪い店 ” のどちらの店に行きますでしょうか?
では担当として ” 普通の商品だけど愛想が良い営業マン ” と、 ” 素晴らしい商品だけど普通の営業マン ” だとするとどちらから商品を買うでしょうか?